あるビジネス書の一文です。
非常に参考になる文面でしたので、一部を抜粋・編集してまとめます。
(以下、抜粋・編集分)
ある小さな会社の会議室から、こんな会話が聞こえてきました。
「部長、もう少し安くしたら売れると思うのですが・・・」
「A社はこれくらいの値段なので、当社はそれよりも安くしましょう!」
本当は利益が全然出ていないのに、売り上げを上げて会社を回していくために、安売りをするという発想から抜け出せずにいる・・・
これが今、多くの日本の中小企業が直面している課題です。
ところがもし、仮に先程の会議室で、
「部長、A社の1.5倍の値段をつけてみましょう!」
「どうすればこの値段でも、お客様から支持されるか考えてみましょう!」
という具合に、商品の値段を上げる方向で議論が進んだとしたらどうでしょうか?
きっとその会社の総合的なビジネス力は、どんどん磨かれていくと思います。
今日まで仕事の現場では、小さな努力や改善の積み重ねによって、コストダウンが図られてきました。
確かにそのおかげで私たちの暮らしは豊かになりましたが、その一方で小さな会社やお店の経営者は、
他店との終わりなき安売り競争から逃れられずに苦しんでいます。
安売りによる落とし穴は、売り上げは出ても利益が出ないことや、不毛な価格競争だけではありません。
他にも、
・理不尽なクレームが増える
・リピーターが減る
・お客様と価格のことで戦うようになる
・アイデアのない会社になる
・組織作りに時間が割けない
・余計な仕事が増える
・広告しても値段しか覚えてもらえない
などが挙げられます。
また、大きな会社から仕事を請け負ってきた中小企業の場合、より安価な海外の商品に押され、仕事を失うなどの落とし穴もあります。
それにもかかわらず、安売りするという発想から抜け出せない背景には、高度経済成長期から唱えられてきた、「良いものを、より安く!」といった風潮が浸透していることが一因にあるようです。
しかし、良いものをいくら安くしても、それだけでは買ってもらえないのが今の時代です。
まして大クレーマー時代と呼ばれる昨今、全てのお客様が神様とは言えなくなってしまいました。
つまり安売りするだけでは誰も幸せにならないのです。
これからの時代、小さな会社が生き残っていくためには発想の転換が必要なのです。
「少々高くても、お客様によころんで支払ってもらえる価格を考え、関わる全ての人を幸せにするビジネスの実現に全力を尽くします!」
このように、経営理念のような宣言が必要です。
【お客様相談室宛メール】
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