前回、「無上意のサービス」について記述しましたが、更には「無上意の極意」と言われる話があります。
この話は実話ということで、私自身は複数の経営者から話を聞いたことがあります。
少々長くなりますが、非常に感動する話ですので、是非、紹介させて頂きます。
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長い間、一緒に苦楽を共にしてきた奥様を、自分の定年前に病気で亡くし、悲しみのうちに、その冥福を祈る為、男性は四国八十八箇所の巡礼を終え、最後に立ち寄った高知空港の日本料理店「司」でビール一本と、土佐名物カマスの姿寿司を一人前注文した。
加えて、「申し訳ありませんが、グラスは二つで。」と注文を受けた若いウェイトレスは、不思議に思いながらも「かしこまりました。」とお客様である男性の指示に従い、先ずビールとグラス二つをお出しした。
すると男性客は、小さな額縁に入れた女性の写真をテーブルの中央に置き、その前のグラスにビールを注いだ。自分のグラスにもビールを注ぎ、静かに乾杯をした。
ウェイトレスは、男性客はきっと亡くなった奥様の写真を持って巡礼をしてきたのだろうと思った。
そこで、寿司ができあがって運ぶ時、さりげなくお箸と箸置きを二組、小皿を二枚持っていった。
その後、ふるさとへ帰った男性客からお店への手紙には次のように書かれていた。
「四国への旅には、家内の写真と一緒に出かけ、食事の時には一緒にビールを飲みました。しかしお箸と小皿を二人分出して頂いたのは、お宅の店の若いウェイトレスさんだけでした。初めてで驚きました。感動で体が震えました。帰りの飛行機の中では、どうしても涙が止まりませんでした。本当に有難うございました。どうぞ、あの若いウェイトレスさんによろしくお伝え下さい。」
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これこそ、「無上意の極意」です。
いくら何でも、ウェイトレスさんが勝手にお客様にビールを1本無償でサービスする訳にはいかないでしょうが、お箸と箸置きを二組、小皿を二組用意する程度でしたら、いちいち店長の許可を得ずとも、自分の権限内で出来、しかもコストもかからない、これ以上無い最上のサービスと言えるでしょう。
日常においても、きっと私たちが人に感動を与えることが、何かしらできるのではないでしょうか?
しかも「さりげなく」
私自身、この話は何度読み返してみても、ウルッときてしまいます。
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