「主客一体」という茶道の言葉の四字熟語があります。
茶席において、亭主は客人に対して、「お忙しいのに、わざわざお越し頂いて大変有り難うございます。」と感謝をし、精一杯もてなします。
一方客人は亭主に対して、「私のために、お気遣い頂き、大変有り難うございます。」と感謝をし、礼を尽くします。
この亭主、客人が、お互いの気持ちを汲み取った状態を「主客一体」と言います。
また、「主客分離」という四字熟語もあります。
亭主は亭主、客人は客人と立場をはっきり分けてお互いに対応しあうことを意味します。
「主客一体」こそ、対立することなく、共感しあう、おもてなしであると言い切れるでしょう。
ところが、亭主も客人も未熟であれば、おかしな関係になりかねません。
亭主が「これだけあなたのことを考えているのに、なぜもっとよろこばない!」と腹立たしく思い、客人も客人で、「客人の私が気を遣っているのに、全く気が利かない亭主だ!」と、一体感を求めすぎて、お互いに腹立たしく思ってしまっては、あるべき姿の「主客一体」には程遠くなります。
そう考えれば、「主客分離」も意識する必要があるでしょう。
主客一体と主客分離のバランス・・・
これこそが、自分とお客様の関係であろうが、上司部下間であろうが、意識すべきことではと思いますが、いかがでしょうか?
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