ある書籍を読んでいて、非常に感銘を受けた内容がありました。
一部を抜粋して記述しますが、与え切り、見返りを求めないという人間の器の大きさについて書かれたものです。
内容としては、バス通学をしている学生がある日、バス乗ってから定期券も財布も忘れたことに気付き、バスを降りる際に困ったことになったという話です。
当然、学生は困り果て、運転手に「定期券も財布も忘れました。今度支払いますので、すいません!」と謝るしかありません。
そこで運転手は、
「定期券を持ってるなら、バス代はいいよ。それと、財布が無いなら今日1日大変でしょうし、これを持っておきなさい!」
と言って、自分の財布から2千円を出して、学生に渡したということです。
その際運転手は、学生の名前も住所も聞いてませんでした。
どう考えても、貸すつもりではなく、完全に与え切り、見ず知らずの学生に全く見返りを求めなかったということです。
運転手はマニュアルで決められた行動などではなく、勤務するバス会社にも関係なく、運転手個人の行動他なりません。
よほど、お金に余裕があるならともかく、一般のバスの運転手で、このような行動ができる人は、聞いたことがありません。
後日、学生はバス会社を訪問し、何月何日の何時にどこからどこまでバスを運転されてた運転手にお礼を述べたいことと、借りた2千円を返したいという旨を受付の人に申し上げたところ、それらしき運転手はあいにく勤務中で面会できなかったとのことですが、これほど器の大きい人が世の中におられることに、どう感じましたでしょうか?
与え切り、見返りを求めない・・・
損得勘定を常に持ってしまっては、決してできないことかと思います。
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