ある会社の社内報を一部抜粋編集して記述します。
「率先垂範」について、非常に参考になる文面でした。
【以下、抜粋編集文】
上司やリーダー格の人達は、部下育成に苦慮していることと思います。
思い通りにならず、ついつい命令口調になるときもあるのではないでしょうか?
例えば、廊下にゴミが落ちていたとき、「ゴミが落ちているぞ!」などとつい命令調で言いがちです。
部下は上司に言われたから、仕方なくイヤイヤ言われた通りゴミは拾うでしょう。
ところが次にゴミが落ちていても拾わない場合が多いのです。
何故ならその時にゴミを拾ったのは、上司から言われたからであって、心から「拾おう!」とは思っていないからです。
きっと心の中では、「気が付いたんだったら、貴方が拾えばいいじゃないか!」などと抵抗しているかもしれません。
人は命令では積極的な行動はしないばかりか、リベンジまでしてきます。
これを仕事に置き換えて考えて見ますと、何とも恐ろしいことではないでしょうか?
社員育成や指導と思ってやったことが、逆効果だったなんていうことは珍しくありません。
私達は命令されて積極性が身につくことなどないことを知ることです。
さて、先週の朝、裏口の廊下をA君がふうふう言いながら洗剤で床を拭いていました。
汚れているなと思い、拭き始めたらやめられなくなってしまったということです。
それは汚れを拭き取ると、そこだけ綺麗になってしまい、全面やらないとまだら模様みたいになって見た目がとても悪いのです。
全面清掃するにしてもA君一人では少々大変です。
そこで朝礼が終わった後、私もA君を手伝い一緒に掃除を始めたのです。
しばらくするとBさんが、私達が掃除をしているのを発見して、「私がやりますから!」とBさんも掃除に加わってくれました。
嬉しいですね。
しばらくすると今度は新人のCさんがやってきて、「私にもやらせて下さい!」といって床を拭き始めたのです。
そこから社員が次々と拭き掃除に加わり、あっという間に床はピカピカになったのです。
たわいもない話かもしれません。
しかし私はその時、はたと気付いたことがありました。
A君も私も掃除を「手伝ってくれ!」などと一言も言っていません。
けれども、みんな自主的に掃除を手伝ってくれました。
このコミュニケーション、協力体制が我が社の社風となったら、本当に素晴らしい会社になれること間違いなしです。
「そうは言うけれど、社長がやっていれば手伝わない訳にはいかないだろう!」という意見もあろうかと思います。
確かにその通りかもしれません。
上の人間が動いて初めて部下も動くのは自然の成り行きです。
ということは皆が手伝ってくれたという行為は、私やA君というリーダーが自ら掃除という率先垂範したことに対する結果なのかもしれません。
よって私達リーダー格の人間が率先垂範できる人格を身に付けることこそ、部下育成に一番効果があるのかもしれません。
そのように考えると、私など反省しきりです。
まだまだ率先垂範、積極性が足らないですね。
今更ながらではありますが、山本五十六連合艦隊司令長官の名言、「やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、褒めてやらねば、人は動かず!」が心に染み入ります。
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