松下幸之助氏の語録で、
「まずやってみなはれ!」
というのは有名です。
一例として、
「目の前に白い粉がある。これが砂糖か塩か、見ただけでは分からない。何日も何日も議論を重ねた。時には専門家を呼んで研究もした。砂糖屋と塩屋の見学にも出掛けた。そのうち、みんな疲れ果てた。物事はそんな進め方をするとうまくいかん。まず、舐めてみることや。身構えると、事は必要以上に大げさになり、やがて手も足も動かなくなる。まずやってみなはれ!」
という話があります。
私自身、この話については、引っかかることがあります。
目の前の白い粉が、砂糖か塩か、必ずどちらかということで間違いないのであれば、舐めれてみてば、どちらか判定できます。
しかしながら、何ら事前情報が無く、白い粉を見ただけでは、やはり私自身は舐めてみようとは思いません。
場合によっては、その白い粉が、毒薬や劇薬であることも考えられます。
舐める以外の手段で、化学的な分析も現代ならできることでしょう。
この話における学びは、目の前にあるものや状況が何やらわからない場合、それを必ずしも知る必要がないようであれば、知らないままでもよろしいでしょうし、先々、このままでは問題の発生につながることが予測され、目の前にあるものや状況を知る必要があるのなら、状況に応じた調べ方を自分なりに工夫しなければならないし、調べ方を間違えれば、あとで大変なことにもなりかねないこともあるということでしょう。
「まずやってみなはれ!」
は、尻込みして、恐怖感を持ってしまって、何もできないでいるより、失敗を恐れずに、いろいろなことにチャレンジやトライをしてみようという意味もあるでしょうが、自分の生命を左右してしまうかどうかというレベルの話なら、やはり慎重さも必要ではないかと思います。
「慎重に、まずやってみなはれ!」
と私なら、付け加えます。
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