1981年にノーベル化学賞を受賞された理論化学者、福井謙一博士の言葉に、
「T字型人間になりなさい!」
という語録があります。
この意味としては、自分の専門分野だけを狭く深く追求する「I」の字型の人間」より、「T」の字のように間口が広くて、更に特定の分野についても奥行きが深い、「T字型人間」になりなさいということだそうです。
特定の分野だけが深い「I字型人間」は、問題や障害が発生した時に、成すすべがなく、身動きが取れなくなってしまいます。
ところが、その特定の分野が深い「I」に、間口の広さを加えた「T」の字のような、「T字型人間」であれば、その特定の分野で何か問題や障害が生じても、迂回路や新たな道を見つけることができやすいということです。
特に現代のように、変化のスピードが早く、周囲の状況や環境が、数ヶ月でガラリと変わってしまうような時代には、まさにそういった臨機応変な力を持った人間でなければ、何かを成し遂げるこたとは難しいという意味にも解釈できます。
これまでの、私自身の考え方は、むしろ「I字型人間」という性質を3つ程度の複数備えればということでした。(4つ以上になってしまうと、あれもこれもと、どっちつかずになりかねません。)
結果的には、「T字型人間」のように、間口を広くするという意味では、似たような意味合いかもしれません。
人間個人個人であれば、苦手分野より、得意分野を伸ばす方が、私は戦略的であると考えており、得意分野を複数持つこと、会社の事業であれば、柱となる事業を複数持つことで、何か一つの柱が不調であっても、他の柱でカバーすれば良いのではという考えです。
よって私としては、
「T字型人間になりなさい!」
と言われても「?」のマークが付いてしまい、
「I字型人間を3つ程度備えなさい!」
と言われる方がピンときます。
だれしも、自分の得意分野は1つは何かしらあるでしょうが、あと2つほどあれば、リスク分散にもなり、バイパスもあるという考え方にはなるかと思いますが、いかがでしょうか?
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